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主にNOIKEルアーやバスフィッシングについて色々書き綴るブログ


by デザインフジワラ
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SEITEN その5

SEITENのデザインのお話も今日で最終回です。

今日はトーナメントスペックならではの
デザインの部分についてお話しします。




殆どのロッドはロゴやスペックが
構えた時に上を向く様にプリントされているのですが、
SEITENはあえて両サイドにプリントしてあります。
SEITEN その5_b0177760_0351539.jpg

ロッドを構えた時はただの真っ黒な棒に見えます。
これはNOIKEプロスタッフからの要望でした。

極限の集中力で試合をしている時に
余計なモノが視界に入るのを避けるという考えです。

ハイエンドモデルのロッド特有の
所有感とか高揚感ってトーナメンターには必要ないんです。
彼らはデザインがカッコいいから何か釣れそう
っていうレベルの話じゃないですからね。
それよりも釣りに集中できる
デザインにして欲しいという事でした。




そしてブランクスのコーティングも必要最低限にとどめ、
無垢のブランクス部分を多く取るようにしています。
SEITEN その5_b0177760_0362125.jpg

これは軽量化の為というよりも、ブランクス本来の曲がりを
できる限り妨げないようにすることが狙いです。

特にスピニングモデルでは、塗装面が一層増えるだけで
ブランクスの曲がりに与える影響は大きいそうです。
これもプロスタッフからの意見をフィードバックした部分です。




さらに竿袋ですが、
SEITENはその価格に見合わない程の
チープな材質の竿袋を使用しています。
SEITEN その5_b0177760_0393248.jpg

「なんでやねんっ」って思わず
ツッコんでしまうくらいのチープさです。

本来なら店頭での印象も考えて
ロッドの価格に見合った竿袋にしたい所ですが、
これにはNOIKEスタッフなりの考えがあるんです。

SEITENは魚を釣る事に関係の無いコストは極力抑え、
その部分のコストをブランクスやガイド等の
魚を釣る事に直接関係してくる部分にまわしたい。

デザイナーとしては品質の良さをわかってもらい易い様に
竿袋にもコストを掛けたいのところなのですが、
そこは私も一人の釣り人として、
NOIKEスタッフの気持ちは良くわかるので
要望を素直に受け入れました。

若干心残りもあったんですが、今はいい判断だったと思ってます。

竿袋って購入後は殆ど使わないですからね。




以上、長々と語ってきましたが
私はこんなことを考えながらSEITENをデザインしました。

ロッドを開発した人の想いは
過去に多く語られてきたと思いますが、
その開発者の想いを受けてデザインしたデザイナーの考えは
あまり語られる事は無かったと思います。

このブログを見て、一人でも多くの方が
SEITENを手にしていただければ嬉しいです。

そして魚を釣って、
てるてる坊主の裏に隠された、
実はストイックな本当の性能を実感して欲しいです。

魚のサイズが大きくなる程、
『なるほど!』と実感する部分が多いと思いますよ。

ではまた。
by waterlettuce | 2009-06-23 01:32 | NOIKEの仕事