正月三が日の休みも終わり、
今日が仕事始めだった方も多いと思います。
私も来週の売出しに備えてボチボチ準備に取り掛かっています。
『釣りキチ三平』
年末の大掃除の時に見つけて、掃除をほっぽらかして読みふけってしまいました・・・。
私と同世代の人ってこの漫画から釣りを始めた人も多いと思います。
ちなみに私もガッツリと釣りキチ三平世代なので
ご多分にもれず、釣りを始めたキッカケはこの漫画です。
初めて読んだのはこの「サーモン・ダービー編」でした。
ちなみにこの単行本はオリジナルのものではなくて、その後に出版された総集編的なもの。
子供の頃はオリジナルの単行本で持っていたんですが、阪神大震災の時に泣く泣く処分することになり、
その後この総集編バージョンのものを古本屋などで買い集めました。
余談ですが、オリジナルバージョンの単行本って3巻が異様に分厚かったですよねぇ・・・。
『Basser』で特集が組まれたこともこともありましたね。
実際に釣りキチ三平でブラックバスを扱った回は少なかったですが、
私と同世代の人は釣りキチ三平の影響で釣りを初め、その後ブラックバスに出会って
そのままどっぷりバスフィッシングにハマるっていうパターンの人が多かったと思います。
私達より少し若い世代の人は『グランダー武蔵』がキッカケですかね?
子供が釣りを初めるキッカケって漫画やアニメの影響って絶大です。
今はそういう漫画やアニメが無いのは残念です・・・
私が釣りキチ三平にハマったのは、
釣りに対しての興味よりも、その前に絵の美しさに惹かれたから。
矢口高雄氏の描く自然の風景が本当に美しくて、
こんな景色の中で遊ぶ魚釣りって楽しそうだなぁと思い、
そこから釣りに興味を持ち始めました。
彼の描く絵に興味を持たなかったら、
もしかしたら私は釣りをしていなかったかもしれません。
そんな釣りキチ三平の中で、私に大きな影響を与えた回があります。
それがこの『忙中閑あり』の巻。
この話の中で三平君が折れやすいヨシで作った竿で寒バヤを釣るシーンがあるんですが、
そこでの一平じいちゃんのセリフが今でもずっと私の心の中に残っています。
知らない人の為に一応説明しておくと、
一平じいちゃんは三平君のおじいちゃんです。
和竿職人でもある一平じいちゃんと、
じいちゃんを取材に来た女性記者とのやり取りなんですが、
画像だと読みにくいかもしれないので下に書き出してみますね。
一平:「そうじゃ・・・一匹一匹を大切に、丁寧に吟味して釣るということじゃ・・・」
「釣りの楽しみはその一語につきよう」
一平:「折れない竿と切れない糸で、何でもかんでもゴリゴリと抜き上げるのは、
もはや釣りではなく漁ちゅうことじゃ」
一平:「できるだけ弱く、できるだけ細い仕掛けを使えば、小物を釣っても大物の手応えが得られるし、
とても釣り上がりそうもねえ大物を釣り上げた時の喜びはさらに大きい・・・」
「しかもそんな釣りをしようとすれば、当然工夫と技術が要求される。
釣りの面白さとはそういうことじゃ・・・」
記者:「三平さんの釣り哲学ね。素晴らしいわ」
一平:「いやいや、哲学なんてそんな大層なもんじゃねえ」
「偉そうな事を言っちまったけど、ワシなんかまだまだセコい人間じゃよ」
一平:「そこに魚がいればどんな卑怯な手段を用いても一網打尽に取っちまいてえと思うし・・・」
「誰よりも大物を釣りてえし、誰よりも数を出してえ・・・それがホンネってわけよォ!!」
これを読んだ当時の私は小学校の高学年くらい。
それから40年近く経ってますが、
今でも一平じいちゃんのこの言葉は私の心に深く刺さっています。
折れない竿と切れない糸でゴリゴリと抜き上げるのは釣りではなく漁だと言いながらも、
どんな手段を用いても誰よりも大物を釣りたいし、誰よりも数を釣りたいっていうのが
釣り人らしい矛盾で正直な気持ちだなぁと。
しかもそのセリフを長年釣りをしてきた一平じいちゃんが言うってところがミソですね。
釣りのスタイルは人それぞれ。
魚釣りって突き詰めて考えていくと矛盾だらけの遊びです。
それでも夢中で釣りを続けるのは、釣りが面白くてしょうがないから。
年末年始はそんな事を考えながらゆっくり過ごしていました。
ボチボチ初釣りにも行きたいなぁと思っています。
明日辺り、淀川かなぁ?
ではまた。